私のバンクーバ2010

2010.03.02

 94年環境デザイン事業のベンチャー企業CDLを設立後、3D、デジタル、インターネット事業を始めた97年頃に海外提携企業を求めた地が バンクーバであった。以来2~3度訪れた。気候は冬でも温暖で山々と湾岸の自然が美しく居住人種は英仏系の白人はもとより東洋系の移民も 多くまさにミニ多民族国家が共生し治安も良く異邦人にとっても住みやすい街の雰囲気があった。


 今日、人口3400万人のカナダは、アメリカが抱えている公的債務、危機的状況の銀行システム、住宅市場の崩壊、通貨安などの問題を 回避してきた。カナダ・ロイヤル銀行はじめ金融各行は堅固であり、G8諸国では最も債務総額が少なく財政バランスがとれている。  また、世界10位の経済規模であり、世界2位といわれている原油埋蔵量や炭酸カリウム、ウランなどの価値ある天然資源に恵まれている。 ドルに対してカナダ通貨も強くなっており先進諸国内でも投資対象国となっている。

 そのバンクーバという都市名を世界中に知らしめた2010年バンクーバ冬季五輪が終わった。 日本が獲得したメダルは銀3、銅2の5個で国別ランキングは20位、2008年北京五輪は8位だったので冬季国力としてはちょっと寂しい。 ちなみに1998年長野五輪は10個だった。  さて、地元開催国カナダが金メダル14個で1位と文字通り金ラッシュ。総数でも米国37個、ドイツ30個に次いで26個で3位と大躍進。

 日本・韓国で最も注目を集めたフィギュアスケート女子日韓対決で、韓国の世界女王キムヨナが大技はなくても高い完成度で 世界歴代最高の228.56点をマークし、ライバルである高難度の技といわれるトリプルアクセルを史上初の合計3度決めた日本の浅田真央との 五輪史上に残る200点を超える高レベルの19歳対決を制した。しかしながら採点法対立構図の論争も巻き起こり、採点法見直しの動きもでてきた。

 その韓国が国挙げてのメダル獲得戦略でフィギュアスケート、スピードスケート、ショートトラックだけで金6個は国別5位。 また銀6個、銅2個を手にメダル獲得総数14個は国別7位と大躍進した。

 最後に富山県史上冬季オリンピック初めてのメダリストの誕生とそれを支えた地方の中小企業を紹介したい。 スピードスケート女子団体追い抜き競技で富山市企業ダイチ所属の田畑真紀、穂積雅子、松本市相沢病院所属の小平奈緒の「3本ならぬ3人の矢」が 固いきずなで結ばれたチームワーク力の高さで金メダルとわずか0秒02の差の価値ある日本女子初の銀メダルは大変うれしいニュースであった。 県民、若い青少年に刺激、勇気、感動を与えた3選手の努力の成果と共に会社を挙げて永年選手を支えてきたことが最後に日本女子史上初の 銀メダルとなって花開いた。今、厳しい経営環境の中、企業がスポーツを支えるのが困難な時代だけに仲々、簡単にできないことである。 応援をしてきた立派なCSR企業のダイチ社にその姿勢に対して心から敬意を表わしたい。そして選手、監督、コーチ、企業、多くの応援者 それぞれの背景に忘れえぬドラマがあることも知っておきたい。

以上


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