提言 温故創新 
今こそ、企業家精神に富んだ国(地域)に
- 新企業文化を創出 -

2010.03.03

 今、日本の成長戦略が強く問われている。起業家たちの足跡をみていると、多くの人が各々の道を極めようと努力してベンチャーを立ち上げ、 優良企業に育てあげていった。日本人の匠の技術や勤勉さと研究熱心さ、そして世の中は何を欲しているかをいつも考え続けて需要を掘りおこす サービス精神などが、日本の成長の原動力なのだ。日本こそあらゆる分野にベンチャー精神をもつ人々がいる国(地域)であり、 その底力を持つ日本(地域)が強く成長していくことを確信する。

グローバル市民主義で復活を

新型デフレ
 デフレはデフレーションのことで「縮む」、反対にインフレは「膨らむ」という意味。従来は経済活動が縮むことをデフレーションと言っていた。 ところが、去年11月に政府はデフレ宣言をしたが、その数日前に発表された実質国内総生産(GDP)の数字はプラスだった。 すなわち、経済活動は縮んでいないにもかかわらず、デフレと言わざるを得ないところが新型デフレたるゆえんだ。
 今は生産・経済活動は縮小しないまま物価は無限に下がっている。

相対の経済活動に
 日本復活のシナリオだが、三つのイメージが実現に近づいていけば、新しい展望が開けるかもしれない。
 イメージのその1つは「グローバル市民主義」だ。新型デフレは、人が相対で互いに顔を見ながら物事を考え、 相談していく状況がないと絶対止まらない。人が人とが出会い、向き合うことがなければ、自己防衛的にもっと安い物を、と追求してしまうからだ。 コミュニティーの中で、“首の絞め合い”はやめようと言える状況が形成されれば、違う方向に行くだろう。
 その2は「外に開かれた小国モデル」だ。外に向かって思い切って門戸を開く政策を取っている小国ほどしたたかに、活力を持って存在している。 欧州ではルクセンブルク、オーストリア、スイス、デンマーク、ベルギー、オランダ…、アジアではシンガポール、香港、台湾だ。巨大な“隣人たち” のエネルギーをうまく使って生き抜いていくための面白い一つのスタイルといえる。
 その3は「変革は両端から」だ。今日的解答は20世紀後半の経済社会でのメーンストリーム(主流)や“真ん中”のからは出てこない。 メーンから外れている両端からエネルギーが出てくる必要がある。日本で言えば、若者たちと高齢者ではないか。実際、就職難に陥った学生たちが 「シャッター通り」を何とかしようと、雇用機会をつくり出すという傾向も出てきていると聞く。両端に対応するために新しい発想が出てくる。

浜 矩子氏


トップページへ戻る